思い出時空/st
 
      思い出時空

待ってもむだだと      風がささやく
遠くの雲から        雨のにおいがしてきて
あの娘は来ないから     はやくお帰りという

最後の待ち合わせの     いつもの公園は      
いやだというように     時はすぎてゆく

ふりだした雨のしづくが   涙にかわり  
思い出時空をさまよいながら 待ちぼうけに夜がくる

      秋の気配

秋の気配が近づくころ    鳥たちが渡りをはじめ
ふたたび野山に帰ってくる
  
春のわたりのよろこびは消え なぜかさびしい秋のわたりが 
冬のおとずれを感じさせる

もうす
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