Miz 21/深水遊脚
 
評価は明らかな間違いじゃなくて?」
「未知の能力に対して身構える心理というのは、そうしたものよ。不安なものは取るに足らないもののようにみて安心し、いまある自分の能力が優れていることを確信しようとする。幸政はそれを自惚れと評価したし、それはそれで一面を突いた的確な指摘だけれど、そんなに単純でもないのよ。」
「単純な自惚れと、その身構える心理と、何が違うというの?」
「欠点を克服することに彼はとても前向きよ。絶対に逃げない。単なる自惚れなら彼は保身に走るし鍛えることもやめてしまう。きめの細かい指導なんて出来ないでしょうね。そんな人はまず人望から失って行くの。でも今のところそんな気配は全然ない。彼
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