君のことを書くのはこれでおしまいにする/かんな
 

ほんっとバカだったよな
羨ましいくらい自由で
でもなにかを抱えてて
時おり寂しい一面を覗かせてた
そういうところに弱かったんだ
遊んでいるようにみせて
誰より努力してて気づかせなくて
優しさをはき違える奴には
冷たい視線を浴びせていたけど
大切なひとを大切にするところ
そういうところが好きだった

*

夜中の散歩に付き合ってくれて
月が綺麗だなっていうから
夏目漱石的な告白かと思ったけど
もちろん勘違いであって
ただ満月の綺麗な夜だったね
公園のフェンスが互いの世界を
綺麗に区切ってくれてるみたいで
哀しくも安心していたよ
綺麗にも色々あるからわか
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