始発と交わる地平線/あおば
 
別急行列車が追い抜いてゆき
ちらちらと瞬くテールライトの残像に
先祖の霊を供養したくなったが
月日の流れの速さは特別急行列車をも凌ぎ
何の取り柄の無い僕でもどんどん老いてゆくのさ
それが人生ですと精霊たちは燐の球を点し
幼い子らを脅かしては面白がっている
土葬を廃した国土では見られなくなったねと
陛下の意思を尊重しながら無縁仏に形ばかりの
念仏を唱えた



初出「即興ゴルコンダ(仮)」 投稿作を少し修正。
  http://golconda.bbs.fc2.com/
  タイトルは、さわ田マヨネさん。


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