Miz 20/深水遊脚
 
そうだが、戦士として、指導者として、致命的な欠陥を露呈した柏木くんに甘い顔はできない。幸政くんもわかっているようだ。

「まあ仕方ないな柏木。その意識は本当にどうにかしろ。須田を指導するんだぞお前は。女性を侮辱し、さらに名指しで須田を侮辱するなど、あり得ないぞ。」

柏木くんは素直に謝った。

「にしても春江に広夏、おまえら怒るなら自分の言葉で怒れよ。人の台詞を使い回すな。」
「ごめんね。便利だから使わせてもらったわ。」

春江さんが軽い口調で言った。私は軽く見られたような気がして少し不機嫌に返した。

「そうね。本当に短く凝縮すればそんなところね。自分の言葉、こんなんじゃ全
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