Miz 20/深水遊脚
 
とする能力だ。政志くんも使える能力なので、相手が使えば見抜けるはずだが、熱くなった彼に見抜くことはできなかった。それにこの戦いでの晴久の空蝉の使い方は変則的だった。50センチから1メートル右側に自分の実体を移動して、もとの位地には虚像をみせていた。他の人からは虚像のほうしか見えない。普通はもっと虚像と実体の距離が離れた状態で使う能力だ。虚像と実体が少しずれただけの場合、雑な戦士が相手なら、的をはずした攻撃を偶々浴びてしまうリスクも高い。狙いを外させるためだけの空蝉は、戦士としての政志くんの能力に敬意を表した戦いかただったということもできる。晴久はとにかく速く細かく動き回って政志くんの攻撃を交わすと
[次のページ]
[グループ]
戻る   Point(0)