ひとの蕾/服部 剛
 
日々の些細な場面の中に
潜んでいる


――花よ、世にたった一人の、花よ

0歳の蕾
40歳の蕾
100歳の蕾

いつかドラマの
年老いた主人公はTV画面の中から
私の目を見て云った
「もう遅い、ということは無い…」

さあ、日光や雨水をそそぐように
あの〈まなざし〉をそそごう

刷新の日々へ、歩み出す
この世に一人の自分という
密かな主人公に  





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