琥珀の水/
服部 剛
人々の賑わう風呂屋の食堂で
ハイボールのジンジャー割りを
ぐぃと飲み、机上に置く。
ジョッキの内側に広がる
琥珀の海に
細かな気泡が…昇ってる。
この世には重力というものがあり
誰もが各々(おのおの)荷を負って
日々の坂道を登っているが
時にはそんな自分への褒美として
露天風呂あがりの汗ばむ
喉に
琥珀の水を、流す
いつのまにやら
火照り面(づら)の
酔いどれ人は知るだろう。
この世と逆さの重力を
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