夢ノ声/服部 剛
 
夏の夜の旅先にて
ふらり、身を入れた店で
フォアローゼスの水割りを傾けながら
もの想う

もうずっと探してる
あふれる時を

氷がからん、と合図して
ようやく僕は、目を覚ます
瞬きをする・・・目を閉じる
(こみあげる血潮は体内を上昇する)

遠い日の斜面の先端に立つ、黒い人影よ
あなたは何故、時を切り裂くように
しきりに旗をふるのか?

転寝(うたたね)の夢の最中(さなか)に、響く声

――日々ノ倦怠ヲ焼却炉ノ火ヘ
  投ゲ入レヨ  





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