がいこつつづり/田中修子
おかあさん、あなたのいない夏がまた来たよ
そうしていま選挙の時期です
口癖のように歌のように
あなたはいつも
社会貢献できてわたしの人生は幸せよ。
そう、甘ったるく高い声で
誰にも有無を言わさないように
偉大なものに盲目に繰り返し
わたし、かなしかったの。
おかあさんわたしのひりひりが治るまえに
あっけなく死んでしまった
駅前のスーパーに買い出しにゆくと
街頭宣伝が活発です
わたしをみるたびに党員のひとが
**子さんの娘さん。
ところころわたしを呼ぶのです
わたしの名を呼べあんたらドあほか。
となじりたいのに、おかあさん、わたしは微笑って。
だれかがわた
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