あの日/xx陽向
お前に向かって野球ボールを投げたら
知らない人の家の窓を割ってしまったことがあったな
俺たちが小学校低学年の頃だったね
俺たちはやばいと思って思いっ切り走って逃げた
窓を割ったことがばれるのが怖いというより
思いっ切り走って逃げることが楽しかった
何故なら俺たちはばれない所からその家の様子を窺っていた
おじさんらしき人が奥さんを怒鳴っている感じだった
逃げれば良かったのに子供なりの罪悪感で謝りに行ったっけ
俺たちが姿を現したらその家の中から奥さんが出てきた
俺たちがあまりにも小さいからか分からないけど
弁償とか親を呼ぶとかなかったんだよな
俺たちが姿を現していない時にはおじさんは大声出していたのに
俺たちが姿を現したら全く声を出さなくなった
結局何にもなく許されて俺たちは地味に反省して大声で笑って帰って
何にも変わってないよな俺たち
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