阿呆鳥/あおば
 
        160626

アホウドリの羽根を求めて太平洋の諸島を巡る
次々と発見された、人を知らぬ海鳥たちは
簡単に捕らえられ棍棒で殴り殺され羽を毟られ
卵や肉は食べられたり肥料にもされたが主目的は羽毛であった
羽布団用の羽毛は西洋に輸出された
明治の初め、貴重な外貨を稼ぐ重要な産業としても注目され
出来高払いで稼げば稼ぐほど大金が手にはいる
一攫千金の夢が適うと群がる出稼ぎの男女を乗せた舟が
次々と鳥の群生する孤島に捕獲人として置いてゆく
彼等は粗末な小屋を建て、せっせと羽毛製造に精を出す
補給舟が時々やってきては食料と引き替えに羽毛を積んで出
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