その男 どの男/……とある蛙
 
らすにずれはじめ
遊びはいつも鬼の役
もういいやとは思っても
日が暮れるまでは
オニの役

その男のその昔
いつもいつだって、いろいろ言われ
心が折れても仏頂面
人前で泣くことも無いくせに
そのくせホントは泣き虫で
泣き顔下向き家路をたどる、


その男はいま
たとえば気持ちは弱くなり
考えるほどに辛くなる。
誰も知らない 
誰にも言えない惨めさ辛さ
ごまかす積もりは無いのだが
忘れるために歩きだす。

残り少しの坂道を
その先にある青空に
ぽっかり浮かぶ雲を追いかけ

少しはましなエンディング
もし会えるものなら会いたくて
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