旅人たち/あおい満月
朝焼けに染まりながら、
熱いシャワーのあとで。
あなたと、
ミルクの海で絡まりあう感触。
少しつめたいシーツに、
バラが咲いていく。
どうか、
激しく優しく、
強く深く、
私のなかにあなたを刻んで。
二度と忘れないように。
あなたの首筋から滴る汗が、
私を潤す。
あなたの首筋、
あなたの胸、
あなたの 背中、
あなたを旅する私の唇。
私たちは互いの鼓動を、
重ねあう旅人。
けれど、この旅は刹那に終わる。
その瞬間、瞬間が永遠。
あなたを流れる綺羅星に、
願いを託す。
遠く離れても、
この鼓動はひとつであること。
時間だよと、
あなたは白いシャツをまとい、
この部屋を出ていく。
私は裸のままで、
シーツに咲いたバラに口づけをする。
戻る 編 削 Point(1)