古代のパラドックス /st
 
明夫は雅子を愛している 片思いだ
今日こそはこの愛を 打ち明けようと決心した

雅子に逢う為に その家の前で
出て来るのを待っている やっと出てきた

その後を追いかけて行く ところが不思議なことに
いつまでたっても  追いつけない

雅子はゆっくりと 歩いている
明夫ははやあしで 追いかけている

それなのに  いつまでたっても
追いつけない  いったいこれは何なのか
追いつけない  まるで悪夢のようだ
 
ついさっき雅子が通った 郵便局の前にきている
雅子はそのちょっと先を ゆっくりと歩いている

まだ追いつけない  追いついたと思ったら
いつも雅子はそ
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