箱のなか/あおい満月
明日からまた、
雨の一日がはじまる。
灰色の視界は、
私を箱に残したまま。
箱のなかには、
脱いだままの服や、
読みかけの詩集たちが、
底のない目で私を見ている。
伸ばしっぱなしの髪の毛の先が、
ゆくあてのないまま、
ふたつにわかれている。
鏡に映る寝不足の神様。
耳の奥底で、
アヴリルは不機嫌そうに、
ラヴソングを歌う。
耳朶に咲く架空のピアスホウル。
鍵を閉めて外へ出る。
誰かが引いた鎖のあとを、
たどりながらいつもの場所へいく。
あなたに言い出せないことを抱えて。
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