ウイスキーの海で。/元親 ミッド
夜へと漕ぎ出す小さなボートに
キミとふたり。
ウイスキーの波に揺られて、揺られて
キミとふたり。
闇夜の空は真っ暗闇で
星一つありゃしない。
同じく海も真っ暗闇で
海と空とを隔てるものはない。
ただ、その狭間にある僕らの呼吸が
海と空との間に滑り込む。
波間に見え隠れするのは
海鳥の形をしたキャンドル。
幾らか等間隔に浮かんでて
ピート香を放っている。
キミのハナウタを聴かせてよ。
微笑んでばかりいないでさ。
夜へと漕ぎ出す小さなボートに
キミとふたり。
ウイスキーの波に揺られて、揺られて
キミとふたり。
乾杯しよう。
ウイスキーの海で。
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