未知の種/あおい満月
 
ふと、考える。
もしも私が、
あなたと同じように、
目がみえなくなってしまったら、
私は詩が書けなくなるのだろうか。
幼い頃は、
目がみえなくなることが、
とても怖かった。
怖くて怖くて、
眠れなかった。
けれど今はそれほど怖くはない。

(目だけは、守りなさい)

夜毎あなたは私の手を握りしめます。
約束は守れるか、
私にはわかりません。
守る努力をしても、
もしもの時がいつやって来るのかは
わからないから。

私にとってもっとも怖いのは、
詩が書けなくなること。
この目が潰れてしまったら、
二度とスマホやノートに書き記せない。
けれど、私には声
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