迷彩柄。/元親 ミッド
 
迷彩柄の夕焼け空です。
 
グレーと朱色と紫の。
 
迷彩柄の夕焼け空と
 
焼け焦げた炭の様な街並みとに
 
挟まれそうになりながら
 
居並ぶ街灯に導かれるまま
 
男は駆け抜けて行くのです。
 
行き先は誰にも分からない。
 
多分、本人も分かってない。
 
迷彩柄の夕焼け空を
 
かすめながら走って行きます。
 
黒い川を越え、引火した海を越え、
 
ぬるっとした白骨の橋を越え、
 
迷彩柄の夕焼け空の下で、
 
どこまでも、どこまでも、
 
男は駆け抜けて行くのです。
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