ボタン/小川麻由美
自分の責任なのは明白
ボタンの掛け違いを指摘されると
恥ずかしさで 顔に赤みがさす
赤みの数だけ 恥を捨てた
たくさんのボタンが指定席を
間違えている 間違い それは
全て含めての事 一種の
肝試しの様な事 あるいは
人生の別れ道 数えきれない
着々と誰かが企てているよう
頭を締め付けられる思い
自分の立ち位置は 不服
そんな思いが立ち上る
許せる心を持ちたい
立派な人間になりたい訳ではない
自分が自分で居られる
危うい道を模索している
小刻みに震える 小さな人間なだけ
掛け違っていたボタンを直す試み
直しやすい掛け違い
直りにくい掛け違い
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