大人はすぐに嘘をつくから/
縷々流 縷々
左右に大きく揺れる電車は
僕らを強引に引っ張って
のろのろ走る父の車を
ぐんぐんと追い抜いた
隣で姉が呟く
泣いてたまるかって
僕は答える
泣き虫は嫌いだって
そうやって僕らふたりで溢れさせた
ふたりの間に溢れた
涙の粒だけを信用している
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