姫たちのお茶会 下/るるりら
この花は R指定だと長女は想った
店に入ると 年代を思わせるストーブは かたずけられており
窓からは店を覆うように咲く白薔薇が見えた
長女が注文したものが届き
テーブルの上のパフェは緑色をしていて次女は
食せば死にいたると夢想し
次女の前には
店主が庭で今日に合わせて摘んだという苺いちごの実の汁があり
長女は 生血のようだと思った
影の縁には複数の色が滲んでいて
光をうけた緑は 清々と白い
姉妹の艶やかな唇が潤されるようすを
森の宝庫からぬけだした獣たちが
観ていて
姉妹の喉の動くのと同時に獣たちの喉も動いた
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