老木に咲く青い花/星丘涙
 
五月雨に濡れる青い花びら

リアル過ぎて醜く映る容姿を見つめ

溜息をつく

絶望にも似た成長の過程が始まる予感

旅立ちを前に翼傷め

永遠の春を彷徨い続ける定めの様だ

春を謳歌しきれず

夏に何も生産する事無く

刈り入れの秋に途方に暮れた

必死になり解放を求めたが

更に傷を負い恥をさらす

やがて厳しい冬を迎え

青い花を咲かせたまま

枯れ逝くのだ

深々と降る雪の中

青い花だけが咲いていた 

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