消えていった詩を思う。/元親 ミッド
 
空を見上げる。
 
留まる鱗雲に、ふと時の流れを忘れる。
 
風の櫛が髪をすく。
 
目をつぶって風の匂いを嗅ぐ。
 
夏が近づいている。
 
あの夏を思い出してみる。
 
忘れた詩、書きかけの詩、
 
消えていった詩を思う。
 
別に悲しくなんてないさ。
 
あの雲と同じだよ。
 
留まって、そこに浮かんでて、
 
そしていつの間にか流れてる。
戻る   Point(4)