五月〜憧れ/ヒヤシンス
淡い太陽とそよ風が流れる五月。
森を抜けた小高い丘から見渡せる大海原。
キラキラ光る波間に浮かぶカモメ達。
沖合には大きな帆船が漂う。
新しい季節の到来に胸が高鳴る。
自然の温もりの中、ある午後を過ごす。
よく冷えたジャスミンティーを口に含むと、
あの頃の横浜を思い出す。
夢空間の中で私は歩む。
ジャムの描いた驢馬のように。
ゆっくりとさりげなく。
私は私の失われた時を取り戻そう。
すべての人の内にある優しさだけを信じて。
五月のそよ風が永遠で満ちる頃に。
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