ちいさな 三つの声/るるりら
で 待ってくれたから
ふかぶかと 父さんに おじぎすると
とうさんが「ぺこり」と言って がはがは笑った
今年も田んぼの すみっこで さいている花は
いまでも あまい蜜の匂いがして
おなかのそこまで その香りを吸い込むと
おながが ぺこり
おもわず あのときの父さんみたいに
わたしは笑う
【ともる】
さあ みなもとを て ら せ
うたが そこにあるだろう
まぶたを とじて
はくいきは よせるなみ
すういきは かえすなみ
みな底を照らせ
ゆめのおくの いちばん
尊い場所の こころの
みな底にあるのは ちいさな唄
わたしを照らす ちいさな声
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