友へ/ヒヤシンス
 
遠の旅人、君よ。
 私の半身よ。
 今こそ私も君と共に漂泊の旅人になろう。
 そして麗らかな五月も飛び越えて初夏の日和に君と会おう。
 あの思い出の草原で日がな一日君と語らおう。

 君の愛した活火山の村は今も昔の面影を残している。
 君よ、描け。
 颯爽と吹き抜ける風に詩を乗せてゆけ。
 時を吟味し、季節を感じ、思想を吐き出せ。
 寄せては返す波のように私らは今この瞬間を重ね合うのだ。
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