滑走路/元親 ミッド
二本の平行棒の前に立つ。
足を少々引きずりながら、ゆっくりと進む。
二本の平行棒は、滑走路だった。
まばゆい朝日に照らされた滑走路だった。
朝露が散りばめられて、誘導灯になっていた。
実際、窓の向こうでは、一機の旅客機が
急な角度で上り詰めていく。
それを細めた目で追いながら
僕も今、滑走路をゆっくりと進む。
二本の平行棒は、滑走路だった。
羨望の明日への滑走路だった。
リノリウムの床は、草原のようだった。
風は凪いでいるはずなのに、乱気流でもあったか
急に煽られてバランスを崩しそうになったけど
なんとか堪えて、体制を立て直してテイクオフしようと
滑走路をゆっくり進む。
今は、足を引きずってはいるけれど
滑走路の先に自由が見えたよ。
もうすぐ届きそうなんだ。
今に飛び立つんだ!
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