朝の号令   /服部 剛
 
職場へと続く、朝の道。
近所の小学校のグラウンドから
空の青さへ響く、野球少年等の号令。

ひとりが「いーちにーさーんし」と、屈伸し
みんなも「ごーろーくひーちはーち」と、屈伸し

お経のように繰り返される
野球少年の懐かしい合唱に
背を押され――僕は往く
いつもより少し、歩調を変えて。

今日という日の舞台へ続く
仄かな朝日に照らされた
いつもの道を  





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