向こう側/hiro
冷たい風 淀んだ光 潮のかおりをうけ
霧がかった海に浮かぶタンカー船はゆっくりと横切ってゆく
私は風に身をまかせ感慨深く眺めていた
眠りに落ちた瞬間 わたしは意識から開放され
私であって 私でなくなる
思考 思想 認知などはスリープし
生命活動を司る臓器だけがドライブをつづける
まるで葉を食べる青虫を眺めるように
私と臓器(無意識)は切り離される
死とは無意識と繋がってるのではないだろうか
あとは無意識さえ消えればそこは死なのだから
時折 無意識から放たれる揺らめく灯火が死の世界を照らす
だかそれははっきりとは映し出さない
そこは死であるから
無意識からみた死は近くて遠い
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