遠い/ドクダミ五十号
 
海の背中にゆらゆらと

揺られた事も

ありました

砂浜で

長い睫毛の瞬きに

よく似た波の

崩れ落ち

退き波を眺めて私

遠ざかる

感じは孤独の唄に似て

悲しい事もありました

それさえも

遠い昔のいつの日か

思い出せない切なさと

胸の奥底 ざんざざん

さんざめきのみ

生々し

ただ 遠い

忘却を思わせる

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