執政官の告示/西天 龍
音楽が全ての和音を使い果たし、さざ波になったとき、
フレディーを亡くした女王にレクイエムを捧げた巨匠も去った。
薄暮の砂漠で一人、千年前の種に水を与えながら
「創造」という名の光輝を想う。
かつてローマが別の国だった頃、
そこに赴くことを誇りだと思う者は一人もいなかったし、
それは高貴な哲学と同義だった。
平衡を司どる役人が地球の運行に乱れが生じたからと言って慌てる必要はなく、
擾乱を口実に5センチ角の棒を持って街に出て行けばいい。
人波をかき分けた日が懐かしくはないか。
そんな追憶は風に散り恨みがましい風紋だけが残るが、
拙い壁画の音符は火星人がやがて読み解くか
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