宇々のひと/たま
かにあるということだ
宇宙は生の世界である
さまざまな生命体に満ち溢れている
とすれば、
宇々は死の世界といえるだろう
生が先ではなく
死が先にあったのだ
光速に乗って移動する生命体が不死といえるのか
ジョージ・ガモフの
不思議の国のトムキンスを、読むまでもない
相対性理論の、浦島効果には
納得できないものがある
たとえ、
光速で移動したとしても
わたしの肉体は老化するだろうし
百億光年を生きたとしても
宇宙の果てには
宇々の世界が待ち受けている
生が先ではなく
死が先にあったことを
アイシュタインは予知したはずだ
だから、
怖くはない
わたしたちは
宇々に、
帰るだけだ
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