宇々のひと/たま
藁葺きの小屋であれ
コンクリートのビルであれ
その四隅にはたぶん、
柱がある
その柱の向こうは、果てがなくて
やがてどこまでも丸い大地を離れ、成層圏をぬけだして
宇宙という名の空間をゆくことになる
しかし、
宇宙にも果てがあるはずだから
その宇宙の四隅にもたぶん、
柱があって
その柱の向こうには
宇宙ではなくて
宇々という名の空間がある
たぶん、
あるはずだ
宇々という名はわたしが名付けた
そもそも、
宇宙という空間を、支える空間がなければ
わたしは納得できない
だから、
宇々という空間を創造し、
そのなかに宇宙をおいてみるとすっきり納得できるの
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