Miz 16/深水遊脚
 
は侮れないぞ。春江のように言葉で捩じ伏せはしないが、いつの間にか状況をコントロールしているんだ。知らぬ間に事はあの人の思い通りに進む。俺は春江と揉めたあと、少し広夏に愚痴を漏らしただけだ。それに対して広夏は、俺と何人かの人でその場を治めればいいんじゃないかと言った。会話はそれだけだったんだ。それがこんなに早くメンバーも固まった。しかも政志も柏木もいないこの日に揃い、これから作戦を決める。本当に出来すぎている。でもおそらく偶然ではないんだ。人を動かすのは言葉だけではない。動きたい方向を見極めて、ほんの少し、絶妙なところをプッシュして、物事が自分自身で加速度的に進むように仕向ける。 」
「俺も、いる
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