寒桜/凍月
−−−気のせいか
寒桜の幻
枯れ木に薄雲
夜より青い暁は
壊れた月へ注がれよ
舞い散らぬ桜はみな幻
恋の朧は夢幻
点くは幻灯、消えるは焔
火傷しない心はヒトノユメ
手を振れば霧のように散る別れ
落葉した樹木の骨格に
雲の灰色が重なった時
桜の面影をそこに見た
その季節には孤独があった
その美しさには死があった
その儚さには恋が重なった
桜吹雪
絶景に目を奪われた−−
恋は盲目
ふと 君を想っていた−−
でも どちらも 流れ去ってしまって
もう どこにも見えないよ
冬の桜は春の夢
恋の霞も夢幻
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