鎖/あおい満月
たら、
漫画は全部処分し、頭を丸刈りにするからな!」
案の定、
当時の担任の評価の辛さが災いし、
私の算数の成績は年間通して1だった。
(頭を丸刈りにされる?)
恐怖におののいた私は、
当時のあの人と同じ歳の担任に、
泣きながらすがった。
(お願いします!お父さんを止めてください!私、坊主にされる?)
たまりかねた担任は、
私の家に電話を入れて、
あの人を宥めてくれた。
あの人、私の父親は、
私だけが知っている場所で 、
嗄れた愛に溺れていた。
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(ふうちゃん、
いいかい?お願いだから、
一生懸命勉強してくれ。
そうすれば黒岩のおばさんだ
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