冬の針/
あおい満月
***
私はあらゆるながれを、
悉く打ち破ってきた。
それはすべてが本当かどうかわからないが、
私はそんな気がするのだ。
私はあなたに背いた。
私は罰を受けるべきだろう。
私には手錠が待っているかもしれない。
手錠を掛けるのは母親であるあなただ。
ファシストに似たあなたの歪んだ唇を
思い出してひとり震える。
冬の夜。
あたなは鼾をかきながら、
夢と現を行き来している。
壊れた目覚まし時計のように、
過ぎ去った時間を反芻して。
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