異端/
レタス
面差しは鋼色のように青く
その瞳も色を映すことは無かった
ステージに立つ邏卒は特に屈強で
胸の番号を確認し
もの言わぬ彼らを次々と溶鉱炉に落とし込む
彼らは飛沫を上げる間も無く
溶けたオレンジの鉄の中に沈んでいった
溶けた鉄は巨大な列車に載せられた釜で
圧延工場に運ばれて
鋼色の薄板に延ばされ
自動車のボディに加工され
再び世間を青く徘徊する
彼らには天国も地獄さえも往く場所は無かった
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