骨のなかの血/あおい満月
 
ていた。
骸たちは泣きながら笑う。
黄色く黒い歯を剥き出しにして。
私は何故か、
その黄色く黒い歯の間に見える幽かな
光に見とれている。

**

私はその、
あざといほどの誠実さを食べた。
私はその、
あざといほどの誠実さと抱き合った。
私はその、
あざといほどの誠実さに泣いた。
私はその、
あざといほどの誠実さを愛した。
ただ、愛した。
骨のなかの血を貪りながら。
私はその、
あざといほどの誠実さに皮膚を削がれ、
肉を裂かれて骨になった。
私も骸になった。
私たちは互いを骸にした。

***

東の空が瞼を開ける。
裂かれた雲間から赤い光がふる。
荒野に置かれた骸たちは、
それぞれが無言の会話を交わしながら
目指す方へと向かう。

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