Miz 11/深水遊脚
 
はしています。でもこうなるのは仕方ないですよ。」

報告書を提出したときに橋本が言い添えた。須田のことだから俺のところにこういう報告が来るのだろうが、他の訓練生なら私闘などの規律違反でもない限り報告すらない。誰もが経験する、俗に洗礼と呼ばれるものに過ぎない。政志が親身になって愚痴を聞くことがたまにあるくらいで、殆どの人間は無関心だ。あえて橋本に聞いてみた。

「この段階での定期的な報告は意味がないだろう。誰かの指示があったか?」
「それは、お父様、お母様が青山さん、真水さんと食事したときに決まったそうです。真水さんの状態を定期的に幸政さんに報告するようにと。」

なるほど。須田は父と
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