名前/
時々
―世の中のすべてには名前がある
昨日気まぐれにお前を拾った
間に合わせの鉢の中で
少しだけ弱弱しく萎れていたが
水を与えてやると
翌日には小さな白い花を咲かせていた
お前の名前はなんだろう
私の知らないところで
お前にはちゃんとした名前がある
私はお前の名前を知らない
知らずとも
お前は生きている
勝手に生きている
わたしも生きている
勝手に生きているが
どこにもいない
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