大陰唇論/花形新次
 
のだ。
もっと言うと、人間の本質は、小狡く、小汚ないもので、それを正直に露すことが、真実に近づける唯一の方法で、安吾はそれを堕落と表現したのだ。
とことん堕ちるところまで堕ちることで人間の本質を知り、その上で、まだ信じられるものが見つかったのなら、それがその人にとっての真実に他ならないと言っているのだ。

なあ、君達よ。堕落するには有りったけの勇気と覚悟が必要なんだぜ。
何たって、孤独でなけりゃいけないんだからな。
それなのに何だ。善意を振り撒いてお友達作りに精を出しやがって。
そんなことだからいつまで経っても何処にもたどり着けないんだ。
いっそのこと、人前で自分の大陰唇でも引っ張ってみろ。
何かが見えてくるかも知れないぞ。

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