(ゐ)のひと/たま
 
来の悪い弟)だったのかもしれない。その兄貴たちは捨てるほどいる。でも、わたしの弟たちは数少ない。おまえらだいじょうぶか? って、すごく心配になるけど、年金は残したくない。
 うん。

 あ、そうだ、詩の話だったっけ? でも、もう、そんなのやめとこう。年金詩人はこの季節の落葉みたいに掃いて捨てるほどいる。どんなに辛い状況であったとしても、生まれてくる詩は希望のことばであるはずだ。わたしはそう信じている。丸裸の欅の枝を見上げて、ひとつでもいい、そこに芽があったら、わたしは生きてゆける。
 がんばれよ、おまえ。春までそこにしがみついてろよ。枯れたら死んじゃうぞ。
 そうだよ、来年はきっと、いいことがある。
 きみのパソコンにもね。









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