余韻/レモン
気怠い午後だ。
こんな凪いだ白昼夢に溺れそうな空気には
ジムノペディがよく似合うのだろう。
神々の祭典だ
と、
教わったのだろうか。
アンブローシアは、
不老不死の実だっただろうか。
曖昧な記憶を
ぼんやり弄びながら
アンブローシアという聖なる果実を
描いてみる
水蜜桃
を
思い浮かべた自分に
うんざりしながら
葉や花の無い樹だろう
と、
何となくマンドラゴラのように
もぎ取るとき
悲鳴めいたソプラノで唄うのだろう
そんな気がした。
(((【も・ぐ
という字は
テヘンに宛と書くらしいが、
旧式のガラケーで
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