夢翔/レモン
いっそ
このまま
逃げてしまおうか。
という純粋は、
間近に控えた病床での浅い眠り
耳鳴りのような
譫言を以て
熱を
帯びるのでしょう
少女の恋する瞬間は
レモンバームが
しなやかにはじけて
恥じらいながら綻んでゆく
萌葱の薫り
いま、風に乗る。
∞なつかしい丘では
あなたがほかのひとと笑っていて
なんぜんもの花花
いっせいにゆれ
祝福しているみたいなフィリグリーのレース
ちじょうから遠いのだろうか
すいぎんが
うすく流れながら
ときどきひかり
もうさびしくない星がこきょうへ還るのだ。
あなた、わらっている
身を灼き尽くすあの焔から解放されて
あなた、わらっている
あなた、わらって∞
風になった想いで
すり抜けながら
私はささやく
( )
と。
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