散歩《2015年11月18日》/Lucy
 


渇いた落ち葉を踏んで歩いた
湿ったアスファルトに
暗い空から
時折雪がこぼれてきた

かじかんだ手で傘の柄を握り
歩いたことのない道を選んで
なるべく迷子になるように
帰る方角がわからなくなるように

見たことのない家並み
見たことのない並木道
できれば世界の裏側へ
いつか潜り抜けてしまった抜け穴
生まれる前の記憶のような
あの懐かしい場所へ戻る道

人のコトバも
自分のコトバも
うすぺらいとしか思えない 世界は
とんでもない混乱に突入している 誰も
止められない
誰も立ち止まれない

ただ成行きに任せていたら
いつかのような殺戮の時代へ
[次のページ]
戻る   Point(14)