共鳴り/レモン
 
  ・・・泣いている聲も出さず散るように・・・・・


あなたの沈黙
私の耳殻ふるわせて
細い
銀鎖みたいに
鳴り響く

深い夜のこだまは
色褪せぬ開いたままの傷口を
増幅しながら
優しく
抉る


  パヴァーヌを聴いています
  盲た夜の鳥が迷いながら飛ぶ様を
  深草の朧櫻が墨染に咲き、泪のように揺れることを


静かな戚寂
それでも
夜は明けるから

朝には
ほんの少しだけ
産まれたばかりの今日という日を
笑えれば

いい

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