高架橋之下/なけま、たへるよんう゛くを
 
給食を捨てに行く子ども
給食を捨てに行く子どもは
未だ今度の献立てを味わわず
未だ一度の懇切をも味わわず
暗い暗い罪の意識のもとから
辛い辛い組の知己のもとから
逃走を図る
逃走を憚る
日差しの明るみよりせめて
庇の泥るみよりせめて
ビル風の谷間よりせめて
ビル街の狭間よりせめて
自転車の積もりよりせめて
流転者の帳よりせめて
せめてせめてよりせめて
何の目よりも責めぬ所選りて
日々顔合わす人々とTVの事象かに読み合うような
その子どものその子どもの
見せ合ったりはせなんだる
あたかもあるかもわからぬ口の中白々む舌
せめてせめてそのようなる
何の目よりも責められぬ所へ
給食を捨てに行く子どもを
自身を捨てに行く子ども
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