ため息ひとつ/ヒヤシンス
私の窓辺に晩秋の風がやってくる。
あの山の麓の村にもそれは訪れただろうか。
恋しくてたまらない。
我が半身は今どこを旅しているのだろう。
想像の翼を広げてみれば新たな地図が必要らしい。
懐かしさを封印するのもやめようか。
悩んでいるうちは私もどうやら人間らしい。
今ここに在ることが大切なのだ。
やめられない煙草に火をつけよう。
一服の間に答えなんて見つからない。
探せばきりがないほどこの世は面白い。
死の淵を覗きながら与えられた生を生きる。
すべての行いには理由がある。
遠くでぼんやり鐘が鳴る。
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